今、多くの人が通信制高校を選ぶ理由とは

通信制高校という場所には、どんなイメージを抱いていますか?「何らかの事情で高校に通えない人が集まる場所」という、どちらかと言えばネガティブなイメージが強いのでは?しかし、近頃は「あえて」通信制を選ぶ人が増えているとのことです。

その魅力は、一体どこにあるのでしょうか。通信制高校が多くの人に選ばれる理由を紹介します。

通信制高校の在籍期間について

入学するためのハードルが低い

高校入学と言えば、その前に立ちはだかっているのは「高校受験」というハードルですよね。学力によっては受験する高校を変えなければいけませんし、試験の点数で不合格になってしまうこともあります。試験を受けられる回数にも限りがあるので、全員が必ずどこかの高校へ入れるというわけではありません。

中には試験対策を十分したのに不合格になってしまう人や、不登校などの事情で学力が受験レベルに達しない人もいるはずです。そのような場合は次年度以降に試験を受け直すか、高校入学を諦めるしかないのでしょうか。答えは「NO」です。

もし全日制高校の試験に落ちてしまっても、通信制高校の試験を受ける道が残されています。通信制高校の募集は4月まで行っていることが多いため、進路を考える時間は十分にあります。また、通信制の入学試験は面接と作文、あるいは軽い筆記のみというところが大半です。

よって基本的な学習と受け答えさえできれば、落ちるよりも受かる確率の方が高いと言えます。つまり、通信制は入学するためのハードルがかなり低めに設定されているのです。

それぞれの事情に合わせて勉強できる

通信制高校以外の学校は、基本的に休日以外は毎日通って授業を受ける必要があります。よって出席日数が不足すると、卒業どころか進級も危うくなってしまいますよね。何らかの事情があって毎日の登校は難しい生徒には非常にシビアな環境です。

一方で通信制高校は、「スクーリング」と呼ばれる登校日以外や試験の日、学校行事がある日以外は登校しなくてもOKです。必要な出席日数と単位数をクリアすれば卒業できます。スクーリングの日数も学校によってまちまちで、月1回程度のところもあるようです。

もちろん、『毎日通うのはNG』というわけでもありません。通えば通うほど自分の学習を深められますし、仲のいい友達も増えるはずです。要するに、通信制は「自分の事情やライフスタイルに合わせて勉強できる』場所。

通っている生徒の中には、勉強する傍らで働いてお金を稼いでいたり、病気などの関係で毎日学校に通えなかったりする人も多いです。あるいは芸能活動などで、なかなか学校に通う時間を取れない人が通信制を選ぶこともあります。

金銭的な負担が少ない

公立の全日制高校だと、一年間に掛かる学費は総額で約50万円と言われています。授業料にプラスして、制服代や修学旅行の積立金など様々な名目でお金が必要です。また部活に入れば部費が、遠方から通えば交通費が別途掛かります。

3年間の学費をトータルすると、少なくとも150万円は必要な計算です。私立高校であれば公立の倍額、さらに別途で寄付金の納入が求められます。家庭の経済状況にもよりますが、決して少ない負担とは言えませんよね。

当然、学生自身が全てを賄いつつ勉強するのは不可能に近いです。

その点、通信制高校は金銭的な負担が圧倒的に少なく、自身で学費を稼ぎながら通うことも可能な学校です。公立なら学費は「3年間で」10万円ほど、私立だと1年間で20万~30万円ほど。

それでも支払いが難しければ、所得に応じて免除を受けられる場合もあります。授業費以外の諸費用も全日制より大幅に安いです。お金の問題で高校へ通うのが難しい人にとって、これはかなりのメリットになりますよね。

周囲の目を気にしなくてもいい

通信制高校は、中学校を卒業していれば(または同程度の学力があれば)何歳からでも入学できます。そのため、学校によっては年齢が大きく違う人同士が同級生になることも有り得ます。またそれぞれに通信制を選ぶ理由があるので、多少のことでは「周りから浮く」という事態は起きないはずです。

周囲の目を気にしがちな人にとって、通信制の教室はとても過ごしやすい環境だと思います。極端な話、通信制では無理をしてまで友達を作る必要はありません。対人関係でトラブルを起こさなければ、3年間勉強だけに打ち込んで過ごすことも可能です。

ただし通信制には少ないながら学校行事があり、参加することで単位が加算されます。よって、他の生徒とのコミュニケーションが全く不要ではないことに注意すべきです。時にはお互い協力しなければいけない場面もあるでしょう。

その時のことを考えれば、同級生と顔見知り程度の関係は築いておいたほうが楽だと思います。

自分のペースで勉強できる

決して学力は低くないのに、授業のペースが早いせいでついていけないケースは珍しくないはずです。じっくり時間をかければ理解できるという人は、勉強の仕方が通信制高校向きの人だと思います。というのは、通信制の勉強は基本的に自分で行うものだからです。

提出すべきレポートさえ作成できれば、あとは自由にカリキュラムを組んで勉強を進められます。例えば「得意な科目はサラッと、苦手な科目は何度も繰り返し」という勉強法は、学校の授業では難しいですよね。これを実現できるのが通信制高校です。

勉強する時間も自由に設定できるので、朝型タイプなら朝早く起きて勉強を始め、昼で終了するということも可能です。自力では理解できない部分は先生に質問するか、空いた時間に塾へ通うとより学習を深めることができます。

自分に合った学校を選べる

一口に通信制高校と言っても、その中身は高校ごとに差があります。例えば人間関係に悩んで通信制を選ぶなら、精神面のサポートやカウンセリングを行っているところを選びましょう。スクーリングの回数が少ないところを選んでも、楽に通い続けられると思います。

高校卒業後に大学入学を目指すなら、学習サポートや受験対策に力を入れている高校がおすすめです。なんと、子育てをしながら勉強したいパパ・ママのため、校内に託児所を備えている高校もあります。ここは年齢制限の無い通信制ならではの特徴ですね。

特に私立校はそれぞれに面白い特色を打ち出しているので、自分の目標や高校生活のビジョンに基づいて高校を選ぶと充実した3年間を過ごせるはずです。

参考サイト『通信制高校・サポート校・高認予備校の学校選びに役立つ情報が満載!』http://tsusinsei-guide.net/